冬場の水道の水落としと凍結修理方法


冬は水道の凍結にご注意ください
12月から2月にかけて、水道の凍結事故が多発します。水道が凍結すると、水が出なくなるだけでなく、修理に多くの費用がかかります。

凍らせないために
凍結防止には「水抜き栓」による水道管の水抜きが効果的です。

            ↑ 水抜栓(水道元栓)

水抜き栓(白いハンドルまたはレバー)の水抜きの手順
○水を抜く時
 (1)水抜栓(水道元栓)ハンドルを水抜き側(時計回り)に止まるまでまわす(レバーの場合は”止”や”閉”の方向に操作する)
 (2)すべての蛇口をいっぱいに開ける(上図では、キッチンとお風呂にある蛇口を2箇所とも開ける。)蛇口や配管途中に水抜き用の弁などが取りついている場合にはそれらも水抜きをする
 (3)空気入れ蛇口がある場合、これもいっぱいに開ける(上図では、浴室蛇口の上にある、反対向きの蛇口のことです。エアカランなどと呼ばれます。)
 (4)完全に水が止まっていることを確認し、次回水道を使用するまでそのままにします。

○水を出すとき
 (1)蛇口や器具の水抜き部、空気入れ蛇口(エアカラン)などがすべて閉まっていることを確認する。
 (2)水抜栓ハンドルを通水側に止まるまでまわす。(レバーの場合は”出”や”開”の方向に操作する)
 (3)蛇口をゆっくりと開けて、水が出るかを確認する。

●注意
 空気入れ蛇口がある時は、この開け閉めを絶対に忘れないよう注意してください。なお、湯沸し器や混合水栓、逆止弁なども、その仕様に基づく操作方法で水を抜いてください。

○水洗トイレの水抜き
 (1)水抜きのハンドルを水抜き側に止まるまで回す。
(レバーの場合は”止”の方向に操作する)
 (2)タンク前にある排水ハンドルを”大”の方向へ回し、タンクの中を空にする。(空にしないと水は落ちません)
(3)冷え込みが激しいときや、長期不在の場合はタンク内に不凍液を入れてください

●注意
 便器内でも陶器内の残り水が凍結する場合があります。 不凍液を入れるなどの対処が必要です。


■こんな時は注意!
○外気温がマイナス4℃以下になったとき。
○旅行などで家を留守にするなど長時間水道を使用しないとき。
○1日中外気温が氷点下の「真冬日」が続いたとき。

●注意
・ハンドルの開け閉めが不完全ですと、水が完全に抜けず、凍結や破裂の原因になります。
・水抜き栓は冬になる前に点検しましょう。
・ハンドルまたはレバーが動かない時は専門の水道修理工事業者に修理をお申し込みください。


水道凍結した場合の修理方法

凍結した水道の修理


(戸建て住宅やアパートの1階部分にお住まいで、室内の下に車庫などのスペースがなく、お部屋の下は地面だという場合)

水道管の立ち上がりが見えている場合には以下の方法で改善する可能性が高くなります
※下図の赤い色で示されているのが水道配管になります

地べた1階のお部屋で水道凍結の場合は、地中部分で凍ることがほとんどです。


○軽い凍結の修理
ストーブを高い温度で燃やし部屋全体を暖めたり、露出している管(保温筒などは取り外す)や蛇口などにタオルを巻きつけ、上からお湯をゆっくりかけると水が出るようになります。

○解氷パイプが取りつけてあるとき
キャップを上に持ち上げて取りはずし、立ち上がり管に図のようにお湯を注ぐと、地中にお湯が浸透して温められ、床下にある地中配管の解氷ができます。(※手でさわれる程度の熱さのお湯にしてください。熱湯は配管を損傷させる可能性があります)
お湯の使用量は2~4リットル程度を目安としてご用意ください。

↑ 水抜き栓の隣にある立ち上がり管の根元の赤丸箇所が解氷キャップです。上に持ち上げると空洞が現れますので、そこにお湯を注ぎ込みます(※熱湯不可) 構造によっては取付けられていないこともあります


●注意
 お湯は、立ち上がり管につたわるように、ゆっくり注いでください。
 解氷のため、蛇口などに直接お湯をかけたり、直火を当てたりしますと、  破裂や火災の危険があります。


戸建て住宅で1階が車庫スペースになっている場合や、賃貸アパートで1階は駐車場スペースになっている場合などには注意が必要です。

水道管は地中から立ち上がってお部屋の中に入ってくる構造になります。
1階が車庫などの建物は、いくらお部屋の中を暖かくしていても、車庫内で冷え込むと水は出なくなります。

まず、車庫スペース内に水道管が通っているかを確認します。
凍結の修理は、必ず水道管ルートを確認する必要があります。
水道業者を呼んでもこれは同様の手順になります。

室内の真下に車庫がある場合に多い構造図。室内が暖かくても、車庫内や地中で冷え込むと水が凍結してしまいます

賃貸アパートの場合は、複数の車庫スペースがあることも多いため、どの位置の水道管が自分の部屋のものなのかを判別しなければいけません。
手動の水抜き栓を使用しているのであれば、その水抜き栓の真下あたりに水道管がある可能性が高いですが、必ずしもとはいえません。
正確には管理会社や大家さんに確認できるのが間違いないでしょう。

水道管の立ち上がり箇所が見つかったら、ポータブルのストーブ(石油ファンヒーター)で車庫内ごと暖める方法があります。(電気ストーブやオイルヒーター、電気ファンヒーターなどでは車庫内の空間全体を暖めることは現実的ではありませんのでおやめください)
水道管が凍っていても、まわりの空気が温まると次第にとけてきます。
先述のとおり、立ち上がり部分に先述した解氷キャップが付いていれば、お湯を注いで地中の配管部分も溶かしていきます。

石油ファンヒーター(灯油を使用するポータブルストーブ) 

車庫のシャッターを換気のため少しだけ開けておき、車庫内全体を暖め、室温が上がっていくと必然的に水道管はとけていきます。
ただし、共同車庫などの広いスペースの構造や、シャッターなし駐車スペース(ピロティ)などの構造の場合には、車庫内を暖めることが難しいため、早々に水道業者さんを手配してください。

※本来であれば水道業者さんに依頼して水道凍結修理してもらうのがいちばん確実な方法です。
ただ、冷え込む時期はなかなかすぐに対応してくれる業者さんが見つからず、場合によっては何日も待たされてしまうことがあるものですが、配管は水道凍結したあと、時間を置けば置くほどに配管損傷しやすくなります。

そのため、ご自身で改善できる可能性がある方法としてご紹介させていただいてます。
お住まいの構造や凍っている箇所などによっては上記記載の方法では改善できないこともあります。


近年では戸建て住宅で、床下配管になっているケースが増えています。

床下収納庫などを取り外すと、床下にもぐれるスペースができることが多く、確実に床下配管で凍っていると判断できる場合にはそこから床下を暖める作業をしていきます。

まず先ほどのケースと同じく、石油ファンヒーターなどを使用します。
少々狭いのですが、床下スペースから入れて、火事や配管設備の損傷などに気をつけながら床下全体を暖めるようにします。

たくさんの配管や器具が密集していることもありますので、火災には十分気をつけ、間違っても配管そのものに直接熱をあてないようにしてください。
先述の車庫内を暖める場合と同じように、水道管がある付近の床下スペース全体を暖めると考えましょう。

水道管は床下の冷え込む箇所で凍りやすいため、床下がプラスの気温になっていくことで凍結が解消する可能性があります。

お住まいの床下はかなり広めにつくられている場合、ほとんど高さがない場合など、つくりは様々です。
構造によってはポータブルストーブを入れるスペースがなかったり、なんとか設置できても火災の危険性があることも考えられます。

少しでも危険性があると判断した場合にはムリをせず、早めに水道業者を手配するようにしましょう。


上階にお住まいの場合にはかなり厄介なことになります。

もし下階に車庫はなく、他の方のお部屋がある場合には、その室内を暖めることで水道凍結が解消することがあります。
(水道管は部屋ごとに別々ですが、地中から立ち上がってくる水道管は下階を通って上階の部屋につながっています。そのため下階が冷え込んでいると上階のお住まいの水道管が凍ることがあります。これを防ぐにはこまめな水落ししか方法はありません)

ただ、現実的には、下階の方が留守だったり、空き部屋のために冷え込んでいることが多いため、ご自身でどうにかすることができない場合が多々あります。

たとえば、1階部分に車庫、2階部分は空き部屋、3階にお住まいで水道凍結してしまったなどのパターンでは、ご自身で改善させるのは現実的ではないと思われます。
アパートなどの上階にお住まいの場合は、ご自身で何とかしようとせず、すぐに水道屋さんの手配をすべきです。




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